ストレートネックという言葉が一般にも広まり、施術現場でもクライアントからの相談が増えてきました。しかし、首は身体の中でも特に繊細な部位であり、施術には慎重な対応が求められます。本記事では、ストレートネック施術において意識すべき基本的な5つのポイントを紹介します。
① 過剰な矯正・刺激は避ける
頸椎は神経や血管が集中しており、わずかな力でも影響を与える可能性があります。強引な矯正や深部への圧迫は避け、安全性を最優先に考えた施術を心がけましょう。
② クライアントの状態評価を丁寧に行う
「ストレートネック=すぐ施術」ではなく、姿勢・可動域・主訴の有無をしっかり観察したうえで、無理のない施術計画を立てることが重要です。視診・触診・ヒアリングを丁寧に行うことでリスクの低減にもつながります。
③ 主訴と生活習慣のヒアリングを重視する
「最近スマホ時間が増えていませんか?」「仕事中の姿勢は?」など、日常生活の背景に原因が潜んでいることも多くあります。原因の見極めが不明確なまま施術することは、効果的でないばかりか誤解を招く恐れもあります。
④ 効果を“出そうとしすぎない”
一度の施術で姿勢が大きく変わることを期待されるクライアントもいますが、施術者側が過度に“変化を見せよう”とすると、強刺激に傾くリスクがあります。
あくまで身体の反応に寄り添った段階的アプローチが大切です。
⑤ 情報の独自解釈・SNS模倣は避ける
動画サイトやSNSで見られる施術手技を真似たり、自己流で手順を組み替えることは、安全性の面で大きな懸念があります。信頼できる教育体系に基づいた知識・技術を習得する姿勢が重要です。
日本ストレートネック協会では、首への施術は「知識・倫理・安全性」の三本柱を守るべき領域だと考えています。
クライアントの期待に応えることは大切ですが、それ以上に「安全と信頼」を守る施術家であることが、今後の信頼構築につながります。
ストレートネックへの施術は、経験や技術だけでなく、正しい知識と慎重な姿勢が不可欠です。
体系的に学び直したい方や、認定施術家としての自信を深めたい方は、ぜひ当協会の教育制度や研修をご活用ください。