近年、ストレートネックに関する関心が高まり、クライアントから「自分はストレートネックですか？」と尋ねられる場面が増えてきたという施術家の声も多く聞かれます。しかし、この言葉の定義や施術の方向性について、誤解や自己流の対応が見られることも事実です。
ストレートネックとは、頸椎の生理的前弯（カーブ）が失われ、まっすぐに近づいた状態を指します。原因としては、長時間の前傾姿勢やスマートフォンの多用、作業時の姿勢固定など、日常生活に根差した要因が多く指摘されています。
このような背景をふまえ、施術家としては「ストレートネックを“治す”」のではなく、クライアントの頸部にどのような負担が生じているかを正確に評価し、安全にアプローチすることが重要です。
中でも注意したいのが、頸部に対する過度な手技や、自己流のアレンジです。頸椎は神経や血管が密集している繊細な構造であり、構造理解のない過剰な刺激や矯正はリスクを伴う可能性があります。
日本ストレートネック協会では、こうした誤った施術リスクを回避するため、正しい評価法と施術安全性の啓発を重視しています。特に初対面のクライアントには、症状の有無や日常生活の背景（スマートフォンの使用時間、睡眠姿勢など）について丁寧にヒアリングし、過信や誤認を避ける姿勢が求められます。
また、協会では独自に安全基準に基づいた教育カリキュラムを策定し、一定の技術と倫理観を持つ認定施術家の育成に取り組んでいます。
ストレートネックの施術は、経験や感覚だけではなく、構造的理解と安全性への配慮が欠かせません。
クライアントにとって「安心して任せられる施術家」として信頼されるには、常に正しい知識と姿勢で向き合うことが重要です。
自信を持って施術を行いたい方は、日本ストレートネック協会が提供する学習機会や認定制度をご活用ください。
